栗の茹で方は?圧力鍋や蒸し器を使った方法や簡単なむき方も紹介
自然な甘味とほくほくした食感が特徴の栗は、昔から幅広い世代に好まれている秋の味覚です。
茹でてそのままおやつに、もち米と炊いて栗ご飯にと、食べ方もいろいろ。
しかし、茹で加減を間違えると実が崩れてボロボロになってしまう…なんてこともありますよね。調理して食べる場合も、外側の硬い鬼皮と渋皮をむくのに手間と時間がかかるため、栗を食べたくても気軽に手を出しにくいかもしれません。
そこで今回は、栗の上手な茹で方や簡単に皮をむくコツについて、料理家の風間章子さんに教えていただきました。
教えてくれたのはこの人!
風間章子(かざま あきこ)
料理家/調理師
イタリアンレストランで6年間修行した後、カフェを立ち上げ、雑誌やウェブなど、さまざまなメディアにて料理監修で活躍。これまで、4店舗のカフェの料理メニューの立ち上げを行う。料理の技術向上はもちろん、料理の楽しさを伝えることを目的とし、料理の撮影や料理教室を開催するキッチンスタジオ「人形町キッチン」を運営。わかりやすい説明と気さくな人柄で、好評を得ている。
X(旧Twitter):@ACCO_kzm
目次
栗を買ってきたら、まず下処理を
栗は買ってきてすぐに茹でるのではなく、まず下処理をすることが大切です。
栗の下処理方法
1. 外側の硬い鬼皮をさっと洗う。穴が開いているのがわかる栗は捨てる。
2. 水を張ったボウルに入れて、1時間からひと晩置く。
虫が中にいる栗や、中の水分が抜けている栗は、水に浸けると浮いてくるので、水中に追い出された虫といっしょに取り除いてください。
スーパーなどで販売されている栗はきれいな物が多いですが、拾ってきた栗には虫がいる可能性が高いため、ひと晩しっかり水に浸けましょう。
栗の基本の茹で方
ここからは、栗を丸ごとシンプルに味わう茹で栗の作り方をご紹介します。
生栗のままだと、皮をむくのに時間がかかる上、茹でるときに水が入って食感が悪くなる可能性があるため、茹でてから皮をむくのがおすすめです。
栗の茹で方
1. 鍋に栗と、栗がかぶるくらいの水を入れて弱火にかける。
2. 沸騰したら、弱火のまま40分程茹でる。途中でアクが出れば取り除く。
3. ザルに上げて粗熱を取り、水気を拭き取る。万が一茹ですぎてしまったときは、冷水で締めて実崩れを防ぐ。
圧力鍋や蒸し器を使ってもOK!
鍋で茹でる基本の方法以外に、圧力鍋や蒸し器で火を通してもおいしい栗が味わえます。
茹でるよりも短い時間で調理したいなら圧力鍋、よりほくほくとした食感にしたいなら蒸し器での調理を試してみてください。
圧力鍋で栗を加熱する方法
1. 栗の底のザラザラした部分を、渋皮が見えるくらいまで包丁で削る。
2. 圧力鍋に栗と、栗がかぶるくらいの水を入れ、蓋をして中火にかける。
3. 圧力がかかってきたら、10分間加熱する。
4. 圧力が完全に抜けるまで置き、蓋を取ってそのまま冷ます。
栗の底のザラザラした部分を包丁で削るのは面倒かもしれませんが、このひと手間で調理中の破裂を防ぐことができます。忘れずに行いましょう。
蒸し器で栗を加熱する方法
1. 蒸し器に水を張って沸騰させる。
2. 蒸し器のザルに栗をのせ、蓋をして60分蒸し上げる。
長時間蒸すことになるので、途中で水がなくならないように注意しましょう。
時々、様子を見て、水が少なくなってきたら差し湯をしてください。
なお、圧力鍋や蒸し器で加熱した栗を食べるときは、栗そのものの味を楽しむのが◎。
2つに割ってスプーンなどでかき出して食べるといいでしょう。
電子レンジで加熱するのはNG?
栗は水分を多く含むため、電子レンジで加熱すると蒸気で内圧が高まり、やがて破裂するリスクがあります。
破裂を防ぐために、栗に切り込みを入れて電子レンジで加熱する方法がよく紹介されていますが、切り込みの入れ方によっては破裂する可能性が高いです。
高温で加熱された栗が飛び散るとやけどをしたり、電子レンジ内が汚れたりするため、電子レンジでの加熱は避けましょう。
簡単な栗のむき方
栗ご飯のように栗を調理して食べる場合、最大のハードルは皮をむくプロセスかもしれません。
より楽にこなすためには、「少し茹でてからむく」「冷凍した栗を熱湯で戻してむく」のどちらかの方法をとってください。
それぞれの手順をご紹介します。
少し茹でてからむく方法
1. 鬼皮がついたまま、沸騰した湯で3分茹でて栗の表面に火を通す。
2. 粗熱が取れて、手で持てるくらいの熱さになったら、湯にさらしたまま1つずつ持ち上げ、ざらざらの面に切り込みを入れる。
3. 切り込みを入れた栗を4~5つくらいずつ、乾いたふきんの上に置く。
4. 切り込みを入れた底部分を削り取り、削った所に包丁を引っ掛ける。鬼皮を引っ張るようにしながら、頭の方向に向かってむく。
5. 鬼皮がむけたら、再び湯に戻して渋皮をふやかす。残りの栗も同じようにする。
6. 再び栗を取り出し、渋皮を削ぐ。
7. むき終わった栗は水にさらし、調理に使う。
栗を茹でた後、熱いうちは鬼皮がやわらかく、生栗よりもむきやすいです。
ただし、鬼皮と渋皮ではむくときの力の入れ方が違いますので、鬼皮と渋皮は同時にむかないほうがいいでしょう。
鬼皮をむいたら、それを湯でふやかしてから渋皮をむいていってください。
冷凍した栗を熱湯で戻してむく方法
1. 茹でた栗をジッパー付き保存袋に入れ、口を閉じて冷凍する。
2. 冷凍した栗を食べる分だけ取り出し、熱湯を張ったボウルに入れて5分程置く。
3. 少し茹でてからむく方法と同じやり方で、鬼皮と渋皮をむいていく。
4. むき終わった栗は水にさらし、調理に使う。
冷凍した栗を湯通しすると、驚くほど簡単に鬼皮と渋皮がむけるようになります。
買ってから2~3日後に食べるなら、下茹でして冷凍しておくのがおすすめ!
生栗と茹でた栗の保存方法
下処理を済ませた栗は、生のまま、もしくは茹でてから冷蔵・冷凍保存することができます。
皮をむいた栗は長期保存できないため、できるだけ皮付きのまま保存するといいでしょう。
皮付きの生栗を冷蔵保存する場合
生栗の水気をよく拭き取り、ポリ袋に入れて冷蔵庫へ。
1~2週間程日持ちします。
皮付きの生栗を冷凍保存する場合
生栗の水気を拭き取ってジッパー付き保存袋に入れ、冷凍庫へ。
1ヵ月程保存できます。買ってきた栗を少し後で食べるなら、皮がむきやすくなるこの方法が◎。
皮付きの茹で栗を冷凍保存する場合
生栗を茹でた後、よく冷めてから水気を拭き、ジッパー付き保存袋に入れて保存。
皮付きの生栗と同じく、1ヵ月程保存できます。
栗の基本の茹で方、楽なむき方を覚えて、トライアルの栗をたっぷり味わおう
栗はおいしいだけでなく、優秀なエネルギー源であり、ビタミンB1・B2、ビタミンC、食物繊維など、さまざまな栄養素を豊富に含むので、旬のうちにたっぷり食べたい食材です。
ここでご紹介した栗の基本の茹で方や、そのほかの加熱方法、面倒な皮むきをより楽にするコツを押さえることで、栗をもっと気軽に調理することができるでしょう。
そして、おいしい栗を手に入れるなら、鮮度の良い食材がいつでもお手頃価格でそろうトライアルがおすすめです。
この秋は、旬の栗を使ったさまざまな料理にチャレンジしてみてくださいね!
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