夏のむくみ対策には「もも」が◎!低カロリーで整腸作用も
7~8月に最盛期を迎えるもも。甘くてジューシーな味わいが人気のフルーツですが、実は低カロリーで、むくみの改善や整腸作用といった女性にうれしい効果も期待できるそうです。
今回の「体が喜ぶ旬食材」では、フードコーディネーターの清水加奈子さんに、ももの栄養素やおいしいももの選び方・保存法について教えていただきました。さらに、ももを使った、夏らしく爽やかなデザートのレシピもご紹介します!
きゅうりとほぼ同量のカリウムがむくみを改善!
ももには、ミネラルの一種であるカリウムが豊富に含まれています。
食品の中で、カリウムが多いとされるのはきゅうりですが、きゅうりのカリウム含有量が100g中200mgなのに対して、もものカリウム含有量は100g中180mg。つまり、ももには、きゅうりに匹敵する量のカリウムが含まれているのです。
「カリウムには、体内の余分な塩分を排出する働きがあり、むくみの改善や血圧の調整といった効果が期待できます。味噌や醤油などを使う和食は、塩分が高くなりやすい傾向があるため、カリウムは日本人が意識してとりたい成分のひとつといえるでしょう」
また、ももには食物繊維も豊富に含まれており、中でも水溶性食物繊維のペクチンが多いのが特徴です。
「ペクチンには、体にいい効果がたくさんあります。そのひとつが整腸作用で、便秘や下痢の改善のほか、腸内環境が整うことで免疫力のアップにもつながります。
さらに、血糖値が上がるのを抑えたり、コレステロール値を下げたりする効果も。食後のデザートというイメージが強いももですが、血糖値の上昇を抑えるためにも、食前に食べるのがおすすめですよ」
このほか、ももには抗酸化作用を持つポリフェノール類や、疲労回復に効くクエン酸なども含まれているそうです。
ももは日中に食べるのが◎。夜に食べると太りやすい!?
ももは、カロリーが高そうなイメージがありますが、実は100gあたり40kcalと、カロリー控えめなところもうれしいポイントです。
「ももは水分が多いので、甘さの割にカロリーが控えめです。すでにご紹介したように、カリウムなどのミネラルや食物繊維が豊富なだけでなく、血糖値の上昇も抑えてくれます。1日1個を目安に、お菓子の代わりとして食べるのもいいでしょう」
とはいえ、食べすぎには注意。ももの甘さを生み出しているのは、フルクトースと呼ばれる果糖です。果糖は、食べる量や時間帯によっては、中性脂肪の増加につながってしまうこともあるのだとか。
「果糖は糖類の一種ですが、ご飯などに含まれるでんぷんとは、体内での代謝の仕組みが異なります。胃腸で分解され、エネルギーに変換されるでんぷんに対し、果糖はそのほとんどが肝臓で分解。これは、アルコールの分解と同じ仕組みであり、果糖をとりすぎると、中性脂肪が肝臓に蓄積しやすいといわれているんです。
特に、夜遅い時間に果糖を摂取すると、中性脂肪が蓄積しやすくなるといわれています。そのため、ももをはじめとする果糖を多く含むフルーツは、朝や昼に食べるのがおすすめ。食前に食べると、より効果的です」
ももの食べ頃は?強い香りが「完熟」の知らせ
果肉がやわらかく繊細なももは、スーパーなどの売り場でさわって選ぶことができません。おいしいももを見分けるには、どうすればいいのでしょうか。
「ももは、全体に産毛がしっかりと生えていて、左右対称の形をした物がおいしいといわれています。色は、お尻の部分までまんべんなくピンク色になっている物が理想。ただし、買ったときに白くても、自宅で追熟すればいいので、そこまで気にする必要はないでしょう。
そのほかに意識してほしいのは香りです。そっと鼻を近づけてみて、香りが強い物を選ぶのがポイントですね」
また、ももの食べ頃を見極めるのも難しいところ。自宅での保存や追熟させる際のコツを教えていただきました。
「2~3個など少量であれば、室内で直射日光のあたらない場所に置いておけば追熟できます。もし、一度に食べきれない量の場合は、冷蔵庫の野菜室に入れて保存し、食べる分だけその都度追熟させるといいでしょう。
鼻を近づけてみて、香りが強くなってきたら食べ頃です。食べる際は、直前に氷水か冷蔵庫で短時間冷やすと、さっぱりとした甘さが楽しめます」
余った皮も無駄にしない「ももとほうじ茶ゼリーのマスカルポーネパフェ」
ももは、カットしてそのまま食べてもおいしいですが、チーズや紅茶、山椒など、ほかの食材と合わせることで、また違った味わいが楽しめます。
今回は、ももの甘さとほうじ茶の苦みのハーモニーが絶妙な「ももとほうじ茶ゼリーのマスカルポーネパフェ」のレシピを、清水さんにご紹介いただきました。
トライアルの販売価格
もも(2玉パック)…499円
※2021年6月 スーパーセンター長沼店調べ
※トライアルの商品はすべて税込表示です
※価格は相場や時期、産地によって変動します
材料(2人分)
もも…1個
ほうじ茶葉…6g
水…200ml
砂糖…大さじ1
粉ゼラチン…5g
[A]
マスカルポーネチーズ…1パック(114g)
砂糖…大さじ1
牛乳…大さじ1
[盛りつけ用]
グラノーラ…適量
ミント…少々
作り方
1. ももの皮をむき、実は食べやすく切る(皮は取り置いておく)。大さじ2(分量外)の水に粉ゼラチンを加えて5分置き、ふやかす。
2. 小鍋に水200mlを沸騰させ、ほうじ茶葉、ももの皮を入れたら火を止め、蓋をして1分煮出す。
3. ザルでこし、熱いうちに「1」のゼラチンと砂糖を加えてよく混ぜる。冷蔵庫で1時間程冷やして固めたら、スプーン等で粗く崩す。
4.ボウルに[A]を入れ、全体が滑らかになるまでよく混ぜる。
5. グラスにグラノーラと「2」「3」を重ねる。最後にももの実をのせ、ミントを飾る。
調理のポイント1 ももの皮の上手なむき方
完熟したももは、アボカドのように種に沿って縦に包丁を入れ、両手でくるっと回すときれいに半分に分かれます。スプーンで種を取り、食べやすい大きさにカットすると、皮がきれいにむけますよ。
調理のポイント2 ゼラチンを入れると液体が白くにごるのはなぜ?
「2」の工程でゼラチンを入れた直後、液体が白くにごることがあります。これは、ももの皮に含まれるクエン酸と、ゼラチンのたんぱく質が反応したことによって起こるもので、成分や味に支障はありません。そのまま混ぜ続ければ、にごりは消えるので安心してくださいね。
煮汁ごと食べられるジャムやコンポートもおすすめ
最後に、清水さんからももの栄養素や食べ方について、さらなる豆知識を教えていただきました。
「ももは、生でそのまま食べておいしいですが、ジャムやコンポートにするのもおすすめです。ももに含まれるカリウムやペクチンは水溶性。加熱をしても煮汁に溶け出すだけで、栄養素が損なわれません」
1年のうち、限られた時期しかスーパーに並ばないもも。トライアルなら、この時期最もおいしくて新鮮なももが手頃な価格で手に入ります。最盛期にそのおいしさをぜひ味わってください!
監修者プロフィール
清水 加奈子
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
フードコーディネーター清水加奈子について