タコの栄養素と効能――低カロリーで高たんぱく、疲労回復にも◎
タコは、世界的に見ると食べる文化のある地域は多くないといわれていますが、日本では消費量が多い魚介類のひとつ。
生でも加熱してもおいしく食べられる上、低カロリー&高たんぱく。多くの栄養素を含む、優秀な食材です。
今回は、フードコーディネーターの清水加奈子さんに、そんなタコに含まれる栄養素と期待できる効能、おいしく効率的に食べる方法などを教えていただきました。
教えてくれたのはこの人!
清水加奈子(しみず かなこ)
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
公式サイト
トライアルでの販売価格
蒸し真ダコ・生食用(100gあたり)…298円(税込)
※2024年3月 スーパーセンター藤沢羽鳥店調べ。
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
※販売価格は時期や産地によって変動します。
タコに含まれる注目すべき栄養素は?
タコはおいしいだけでなく、低カロリー・低糖質・高たんぱく。
体に有用な栄養素が多く含まれているので、積極的にとりたい食材です。
ここからは、タコに含まれる栄養素の中でも注目したいものをご紹介します。
たんぱく質:体を動かすエネルギー源、筋肉などの材料に
たんぱく質は、体を動かすための重要なエネルギー源です。
肌や髪、爪、筋肉など、体のさまざまな部位を作る働きもあり、健康な体を維持するには欠かせない栄養素だといえるでしょう。
また、タコは低糖質なので、たんぱく質をしっかりとりつつ血糖値の急上昇を抑えることができ、ダイエット中にもおすすめです。
ビタミンE:老化の予防、血行を促進する
脂溶性のビタミンであるビタミンEの特徴は、活性酸素の働きを抑える強い抗酸化力にあります。
細胞内に過酸化脂質が作られるのを抑えるため、肌の老化や動脈硬化の予防に役立つほか、免疫機能を高めたりする作用も期待できるでしょう。
また、血行を促進する働きもあるため、肩こりや冷え性の改善にもつながると考えられます。
ビタミンB群:代謝を促進して効率良くエネルギーに変えるのを助ける
タコは、ビタミンB群の中でもビタミンB12とナイアシンが豊富に含まれます。
ビタミンB12は、補酵素として、アミノ酸代謝、核酸代謝、葉酸の代謝に関わっているほか、正常な赤血球を産生したり、脳神経や血液細胞など体の機能や発達を正常に維持したりするために必要な栄養素です。
一方ナイアシンは、体や脳の重要なエネルギー源である3大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)の代謝をサポートする働きがあります。
3大栄養素を摂取しても、ビタミンB群が不足していると代謝が滞り、使いきれなかったエネルギー源が脂肪として蓄積されることに。
太りにくい体を作るには、食事の中で適切にビタミンB群を補うことが大切です。
亜鉛、銅:皮膚など体の部位を作る、貧血を予防する
タコには、ミネラルの中でも亜鉛や銅が含まれています。
亜鉛は、新しい細胞を作るのを助ける栄養素で、皮膚など体の部位を作るのに役立つほか、味覚や免疫機能を維持する働きも。
また、銅は鉄とともにヘモグロビンを作るため、貧血の予防に欠かせません。
ミネラルのほとんどは体内で合成することができないため、ミネラルを補えるタコは有用な食材といえるでしょう。
タウリン:コレステロールを減らし、肝機能を高める
タウリンは、たんぱく質が分解される際に産生されるアミノ酸に似た物質で、コレステロールを消費して減らす機能があると考えられています。
また、肝機能を高めたり、血圧を下げたりするなど、さまざまな働きが期待できるそうです。
丸ごと食べられるイイダコはさら栄養価が高まる
小ぶりなイイダコは、丸のまま煮物にして食べることが多いため、内臓に含まれる鉄分や葉酸をとることができます。
鉄分は、疲労感やめまいの原因になる鉄欠乏性貧血の予防に◎。
葉酸は、ビタミンB12と共に赤血球を作るのを助ける「造血のビタミン」といわれるほか、新しい細胞が作られるのをサポートする役割があります。
タコのコレステロールはイカの半分!
かつて、タコはイカや貝とともにコレステロールが多い食材とされていました。
しかし、測定法が進化したことにより、実はタコはコレステロールが少ない食材であることがわかっています。
実際にイカと比較してみると、コレステロール値はイカ(ヤリイカ)の約半分しかありません。
日頃コレステロール値が気になる人は、タコを選ぶといいですね。
タコとイカのコレステロール値
タコの栄養素を効率的にとる食べ方
豊富なタコの栄養素を効率的にとるには、次のような食べ方がおすすめです。
刺身、カルパッチョ
タコに含まれるビタミンB群やタウリンは水溶性のため、加熱すると溶け出しやすくなります。
そのため、刺身やカルパッチョなど、生で食べるといいでしょう。
アヒージョ
ビタミンEは油に溶けやすい脂溶性ビタミン。
オリーブオイルとニンニクで食材を煮込むアヒージョなら、残ったオイルをパンなどにつけて食べることでビタミンEを余さずとることができます。
タコはお酒のおつまみにも最適!
タコには、肝機能を高める働きがあるタウリンと、アルコール分解の作用があるナイアシンが含まれています。
そのため、タコを使ったメニューをお酒のおつまみとして食べると、体内のアルコールが翌日に残りづらくなるでしょう。
タコの1日の摂取量は100gが目安
タコは高い健康効果がある食材ですが、プリン体のとりすぎは体に負担がかかります。
ほかの魚介類や魚卵などからも摂取することがあるため、たくさん食べてしまうと弊害となる可能性が。
タコは、蒸しダコにして100g程度(※)を目安として、食べすぎには注意してください。
※魚介類をすべてタコでとるとした場合の目安。
スーパーで手に入るタコの種類とおすすめの食べ方
タコの種類は豊富で、世界には約200種類、日本近海でも50種類以上が生息しているといわれています。
ただし、食用になるのは、海底での生活に適した体の構造を持つ「マダコ科」に属するタコだけ。
モーリタニアやモロッコからの輸入が多くを占めていますが、日本でもさまざまな地域で水揚げされています。
ここでは、マダコ科のタコの中でも日本人になじみが深く、スーパーなどで手に入れやすい「マダコ」「イイダコ」「ミズダコ」について見ていきましょう。
マダコ
マダコは日本で最もポピュラーなタコ。
日本では三陸地方以南、四国、九州西岸の日本海沿岸などに生息しており、関東以北は冬、関西は夏が旬です。
歯ごたえがあり、噛めば噛むほど甘味を感じられるのが特徴。
刺身や、さっと湯がいてしゃぶしゃぶにすると◎です。
イイダコ
全長20cm程の小ぶりなイイダコ。秋から冬にかけての産卵前が旬で、メスの胴の中にたっぷり入った卵までおいしく味わえる煮物が最適です。
刺身などの生食や、茹でたり、炒めたりしてもおいしくいただけます。
ミズダコ
非常に大きく、体長3m程になるものもあるミズタコ。
やわらかく、強い甘味が特徴で、大ぶりな身を薄く切ってタコしゃぶにすることが多いです。
刺身やカルパッチョなどにして生で食べるのもおすすめ。
トライアルの新鮮なタコで、おいしく栄養をとろう
タコは栄養素が豊富な上、低カロリーで、コレステロールの消費にも役立つ食材。
ダイエット中の人にもおすすめの魚介ですので、1日の摂取量には気をつけつつ、積極的に食事に取り入れていただきたいです。
ご紹介したレシピも参考に、毎日の献立にタコをプラスしましょう。
トライアルでは、新鮮なタコをいつでもお手頃価格で販売しています。
お買い物の際は、ぜひ鮮魚売り場にお立ち寄りください!
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