

春の体調不良はなぜ起こる?自律神経を整える食べ物やおすすめレシピ
日中は暖かさを感じ、過ごしやすくなってくる春の時期。しかし「体がだるい」「疲れがとれない」「よく眠れない」などの不調を感じていませんか?実はこれらの不調は、季節の変わり目である春に起こりやすいとされています。春の体調不良を改善するためのポイントや食べ物、レシピを知り、寒暖差のある時期をうまく乗り切りましょう。
教えてくれたのはこの人!

広田千尋 管理栄養士
病院、保育園、保健センターなどで13年間勤務。生活習慣病の方やご高齢の方への栄養サポート、また赤ちゃんや子ども向けの食事相談など、幅広い年代のサポートに携わる。身近な材料で簡単に作れるレシピ作成を得意としている。
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Instagram:@chihiro_eiyo
春の体調不良はなぜ起こる?

春に起こる体調不良の原因は、主に寒暖差による自律神経の乱れと考えられています。
自律神経は体のコンディションを整えてくれる大切な神経です。興奮状態にさせる「交感神経」とリラックス状態にさせる「副交感神経」がバランスをとりながら働いています。
気温差の大きい春の時期は、交感神経が働きやすく、緊張状態が続いてしまいます。その結果、自律神経のバランスが乱れて、だるさや疲れやすさなどの症状を招いてしまうのです。
また、春は仕事や人間関係、生活環境の変化などが大きく、知らず知らずのうちに緊張やストレスを受けやすい時期でもあります。ストレスによっても自律神経が乱れやすいため、不調を招きやすくなってしまいます。
春の体調不良の症状の例
春に起こりやすい体調不良の症状は、下記が知られています。
- 倦怠感、疲労感
- 寝つきが悪い、よく眠れない
- イライラ、不安感
- 頭痛、めまい、微熱
- 胃腸症状、便秘、下痢
- 手足の冷え など
自律神経の乱れにより、身体的・精神的な不調を起こしやすくなります。
春に不調を感じた場合は、次に紹介する体調管理のポイントを実践して対策しましょう。
季節の変わり目の体調管理のポイント
寒暖差のある春は、普段よりも体調管理に気をつけることがポイントです。自律神経を整えるための、大切なポイントを紹介します。
1.自律神経に良い食事をとる

食事をとると副交感神経が働いて、体がリラックスモードに切り替わります。また欠食すると、体に必要な栄養素が不足したり、体温が上がりにくくなったりと不調を招きかねません。1日3回、バランスの良い食事を心掛けましょう。
また、自律神経の働きをサポートするために「トリプトファン」「GABA」を積極的に取り入れるのもおすすめです。
トリプトファンは「セロトニン」という神経伝達物質の材料となり、セロトニンの働きを助けます。セロトニンは心の安定に関わり、ストレス軽減に役立つ物質です。
またGABAは副交感神経を活発にさせ、リラックスに関わる成分として注目されています。睡眠の質の向上にも役立つとされているため、不調を感じやすい時期にぴったりでしょう。
トリプトファン・GABAが豊富な食べ物
成分名 | 食べ物(100gあたりの含有量) |
---|---|
トリプトファン | きなこ(520mg)・ごま(350mg)・カツオ(320mg)・プロセスチーズ(300mg)・納豆(250mg)・カレイ(230mg)・豚バラ肉(160mg) |
GABA | トマト缶(95mg)・カボチャ(45~58mg)・ジャガイモ(43~68mg)・タケノコ(40mg)・トマト(18~57mg) |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」,国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構「機能性成分含有量」
2.リラックス習慣を作る

ストレスのかかりやすい春は、リラックスする習慣を作り、副交感神経を活発にさせることが大切です。
例えば「湯船に浸かる」「寝る前に目元や首元を温める」「寝る前にストレッチを行う」ことが効果的です。
寝る1~2時間前に38〜40℃程度のぬるめのお湯に浸かるようにすると、リラックスするだけでなく、寝つきが良くなるうれしい効果も期待できます。
また寝る前に体を温めたりストレッチをしたりすると、緊張がほぐれてストレス解消にも役立ちます。
毎日続けられる、自分なりのリラックス習慣を作るようにしてみましょう。
3.十分な睡眠をとる

睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こし、さらなる不調を招く原因となります。特に日照時間が変化する冬から春にかけては、睡眠の不調を引き起こしやすいといわれています。
適切な睡眠時間は人によって異なりますが、理想は6〜8時間ほど。睡眠時間を確保するとともに、先程紹介したリラックス習慣を取り入れて、良質な睡眠をとれるように工夫してみましょう。
4.適度な運動を行う
適度な運動はリラックスや、睡眠のリズムを整えるのをサポートしてくれます。また血行を良くして冷えの解消にもつながり、不調の予防にも役立ちます。
中でも、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動が効果的です。疲れすぎない程度を目安に行うと良いでしょう。
まとまった運動の時間がとれない方は、歩幅を広げて歩いたり、少し遠回りして歩く時間を増やしたりして、活動量を増やすことを意識してみてください。
春の体調不良改善におすすめのレシピ
1.白菜と豚肉のうま煮(supported by クラシル)
トリプトファンを含む豚肉を使い、野菜もたっぷりとれるレシピです。旨みのある「あん」が具材に絡み、体がぽかぽかと温まります。
詳しいはこちら
2.甘辛が美味しい カラスカレイの煮付け(supported by クラシル)
脂の乗ったカレイは、トリプトファンをとれる食材です。甘辛い味でご飯が進み、食欲がないときにもぴったりです。
詳しくはこちら
生活習慣を整えて、春の体調不良を改善しよう
春の体調不良の改善には、まずは生活習慣を整えてみることが大切です。寒暖差により体は緊張状態が続きやすいため、リラックスできるよう、食事や睡眠などを見直してみましょう。