オクラの栄養パワーとは?おすすめの選び方やヘルシーな簡単レシピも
7~9月にかけて、一番おいしい時期を迎えるオクラ。ネバネバ食材を代表する野菜ですが、その食感だけでなく、栄養価の高さにも注目したいところです。フードコーティネータの清水加奈子さん曰く、オクラには、整腸や抗酸化、疲労回復などに作用する成分が豊富に含まれているのだとか。
今回の「体が喜ぶ旬食材」では、清水さんにオクラの栄養素やおいしいオクラの選び方のほか、保存法について教えていただきます。さらに、暑さのせいで食欲が落ちやすい夏でもさっぱりいただける、スープのレシピも教えていただきました。
食物繊維のペクチンが胃を整えて食欲を改善させる
オクラといえば、ネバネバした食感が特徴。このネバネバを作るのに効果的な働きをするのが、水溶性食物繊維のペクチンです。
「オクラのネバネバは、ペクチンにたんぱく質と糖が結合することで生まれます。オクラは、野菜としては珍しくたんぱく質が豊富で、糖質も含まれています。それらがペクチンと結びつくことで、あのネバネバが作られるのです」
さらに、ペクチンにはこんなうれしい効果も期待できるそうです。
「オクラには100gあたり約1.4gのペクチンを含む水溶性食物繊維が含まれていますが、これは、ペクチンが豊富といわれるリンゴの約3倍。ペクチンには、胃の粘膜を保護し、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える作用があります。そのため、免疫機能がアップすることに加えて、夏の弱った胃腸を整え、食欲を改善する効果も期待できますよ」
夏は暑さで食欲が落ちるだけでなく、冷たい物を食べる機会も多くなり、胃腸の働きが弱まりがち。オクラを食べることは、胃腸の働きを助ける意味でも効果的といえそうです。
「ペクチンには、血中コレステロール値を下げる働きがあるのもうれしいところ。血糖値が気になる人は積極的にとるといいでしょう」
紫外線によるダメージをβ-カロテンとビタミンB1がフォロー
夏に気になることのひとつが、紫外線の強さ。オクラには、紫外線でダメージを受けた肌に作用するβ-カロテンも含まれています。
「β-カロテンは、体内でビタミンAに変換されて、目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きをします。また、抗酸化作用も高いので、紫外線によるダメージから皮膚や目を守ってくれる効果も望めますよ」
β-カロテンは、油といっしょにとることで吸収率がアップします。「オクラを素揚げにしたり、豚バラ肉などで巻いて食べたりするのもおすすめです」と清水さん。
このほか、オクラにはビタミンB1やカリウムも豊富に含まれています。
「紫外線を浴びると体内で活性酸素が生成され、疲れを感じやすくなります。ビタミンB1は疲労改善効果が期待できるので、疲れにくい体を作るためにも積極的にとりたいですね。
一方、カリウムには、体内の余分な塩分を排出する働きがあります。塩分や水分のとりすぎによるむくみの改善や、血圧の上昇を抑えるためにも摂取するといい成分です」
おいしいオクラは「小ぶりで角が張っていない物」が正解!
切ったときの断面が星型になることから、料理のちょっとした飾りつけにも役立つオクラ。購入するときは大きくて立派な物を選びがちですが、実は小ぶりな物のほうが、やわらかくておいしいといわれているそうです。
「角が張っていて立派なオクラは、切ったときの見た目はいいものの、皮が硬くて食べにくいんです。そのため、なるべく小さくて角が張っていない物を選ぶのがおすすめですね。見た目としては、色はきれいなグリーンで、表面の産毛が均一な物がいいでしょう」
汁物や炒め物などさまざまな料理に活躍するオクラですが、日持ちしにくいのが難点。一度に使いきれない場合、オクラを買った後、どのように保存するといいのでしょうか。
「ご自宅で保存する際に一番気をつけなければいけないのは、低温と乾燥です。すぐに使わない場合は、網のままキッチンペーパーに包み、さらにポリ袋に入れて野菜室で保管するといいでしょう。
とはいえ、それでもすぐに黒ずんでしまうので、冷凍保存をおすすめしたいですね。硬めに塩茹でして、ラップに包んで冷凍すれば、1ヵ月程度は保存可能です」
オクラのとろみが食欲をそそる「オクラとささみの冷やしとろとろスープ」
ここからは、オクラを使った清水さんのオリジナルレシピをご紹介。今回は、ささみの出汁とオクラのとろみで優しい味わいに仕上げたスープを作っていきます。
トライアルの販売価格
オクラ(1ネット)…99円
※2021年7月 スーパーセンター長沼店調べ
※トライアルの商品はすべて税込表示です
※販売価格は時期や産地によって変動します
材料(2人分)
オクラ…8本
ささみ…2本
酒…大さじ1
梅干し(大粒)…1個
塩…少々
作り方
1. オクラは塩(分量外)を少々振り、まな板の上で転がして産毛を取ってから小口切りにする。梅干しは種を取り、粗く刻む。
2. 小鍋に水(分量外)、ささみ、酒、塩を入れて火にかけ、沸騰したら火を弱めて2分ほど茹でる。鍋からささみを取り出し、粗熱がとれたら手で裂いておく。
3. ささみの茹で汁のアクを取り、再び火にかけて煮立ったらオクラを入れ、すぐに火を止める。刻んだ梅干しと塩を加える。
4. オクラを余熱で加熱。粗熱がとれたら冷蔵庫に入れる。しっかり冷えたら、ささみといっしょに器によそって完成!
調理のポイント1 オクラを茹でて使うときは「板ずり」のひと手間を
乾いた状態のオクラに塩を振ってから、まな板の上で数回転がして産毛を取ります。表面が滑らかになればOK。オクラを茹でて使うときは、この板ずりの作業をすることで、口あたりが良くなります。炒めたり、揚げたりするときは、調理しているあいだに産毛がなくなるので、板ずりをしなくても大丈夫です。
調理のポイント2 栄養素をなるべく逃さない調理手順
オクラに含まれるペクチンやビタミンB1、カリウムは、水に溶けやすい性質があります。サラダなどに使うときは、40秒程度サッと茹でてからカットするようにしましょう。今回のように、汁ごと食べるスープであれば、カットしてから茹でても問題ありません。
トライアルなら旬のオクラがいつでもお手頃価格!
今回、清水さんに教えていただいたスープは、ネバネバ成分のオクラ、たんぱく質が豊富なささみに加え、梅干しを入れている点もポイント。
「梅干しは、酸味が食欲を増進してくれるだけでなく、ミネラルなども豊富に含まれているので、夏の暑い時期にぜひとりたい食材のひとつです。
スープ自体は、ささみの出汁と塩だけでさっぱりとした味に仕上げていますので、お好みでキノコ類や山芋、すりごまなどの食材を入れて、自由にアレンジを楽しんでくださいね」
おいしいだけでなく、栄養満点のオクラ。トライアルなら、この時期最もおいしくて新鮮なオクラが手頃な価格で手に入ります。胃に優しく、肌ダメージにも作用するオクラのパワーで、この夏を乗り切りましょう。
監修者プロフィール
清水 加奈子
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
フードコーディネーター清水加奈子について