梅酒の基本的な作り方――初心者でも失敗しにくい梅仕事
6月頃に旬を迎える梅。中でも6月の初めは、「青梅」と呼ばれる熟していない梅が出回ります。おうち時間が増えている近年は、この青梅を使って梅酒や梅シロップ、梅干しを作る「梅仕事」にチャレンジする人も増えているようですね。
梅仕事の中でも、最も失敗が少ないというのが梅酒づくりです。フードコーディネーターの清水加奈子さんによると、梅酒とほぼ同じ材料で作る梅シロップは、梅のエキスを抽出する過程でカビが発生したり、発酵してしまったりして失敗する可能性が高いのに対し、度数の高いアルコールで漬ける梅酒ならカビや発酵のおそれが少ないため、失敗しづらいのだとか。
今回は、梅仕事初心者におすすめしたい、簡単な梅酒の作り方を清水さんに教えていただきました。
梅酒の作り方
材料(作りやすい量)
- 青梅…1kg
- 氷砂糖…500g〜1kg(お好みで調整)
- ホワイトリカー…1.8L
トライアルでの販売価格
叡醂 ホワイトリカーパック(タカマサムネ)…1,099円(1.8L)
氷砂糖(ダイニホンメイジ)…329円(1kg)
準備する物
4Lの保存瓶(しっかり密閉でき、アルコールや酸に強いガラス瓶がおすすめ)
清潔な布巾orキッチンペーパー
竹串or楊枝
トライアルでの販売価格
果実酒瓶(アデリア)
容量 | 価格(税込) |
---|---|
4L(5号) | 699円 |
5L(7号) | 799円 |
8L(10号) | 998円 |
※2023年5月 スーパーセンター宮田店調べ。
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
作り方
1. 青梅をボウルに入れ、流水で洗う。実に傷をつけないように、手のひらで優しくなでるように洗い、ザルにあげて水気を切る(このとき、傷がついている実は取り除く)。
2. 清潔な布巾(またはキッチンペーパー)で1粒ずつ水気を拭きながら、竹串(または楊枝)でヘタ(なり口)を取り、なり口部分の水気も拭き取る。
3. 熱湯などで消毒した清潔な保存瓶に「2」と氷砂糖を交互に3〜4段に重ね入れ、ホワイトリカーを静かに注いでフタをし、冷暗所で保存する。
4. 氷砂糖が溶けきるまでは、週に1度、瓶全体を静かに揺すって全体をなじませる。氷砂糖が溶けたら、そのまま冷暗所に保存しておいてOK。
梅酒の飲み頃
飲み頃の目安は2〜3ヵ月後。梅の実は約1年で取り出しましょう。
梅酒づくりのポイント
次に、梅酒づくりにおいて気になるポイントを清水さんに伺いました。
梅酒用の梅はどう選ぶ?
梅酒の場合、お酒に漬けているあいだにゆっくりと梅のエキスを出すことが理想です。やわらかい梅だとエキスが出るスピードが早いので、なるべく青々とした固い物を選ぶようにしましょう。
また、表面に傷があると、そこから傷んでしまう原因となりますので、店頭で選ぶときは表面がきれいな物にするのはもちろん、梅を洗っているときにも傷の有無をチェックして、大きな傷や変色がある物は取り除くようにしてください。
ここで省いた梅は、梅ジャムにするといった活用の仕方もあります。
買ってきた梅をすぐに漬けられないときは?
買ってから数日程度なら野菜室で冷蔵保存、1週間以上になるようであれば冷凍保存してください。
ただ、冷蔵庫での保存は梅に水滴がついて傷みやすくなりますし、冷凍保存の場合は梅のエキスが流れ出やすくなります。
そのため、やはり買ってすぐに漬けることを意識してスケジュールを組むのがいいですね。青梅が出回るのは短い期間なので、先に氷砂糖やホワイトリカー、保存瓶といった青梅以外に用意するアイテムの準備をしておき、青梅を買ってきたらすぐに作業ができる状態にしておきましょう。
お酒で漬けてもカビは発生する?
梅シロップよりもカビが発生する可能性は低いですが、まったく発生しないとはいえないのです。
それを防ぐためには、「なり口」と呼ばれる梅のヘタを取り除くとき、竹串や爪楊枝で梅に傷をつけないように注意しましょう。
また、水気が残っていてもカビの原因になりますから、梅を洗った後は清潔な布巾かキッチンペーパーでしっかりと水分を拭き取ることも大切です。
氷砂糖の量を変えると、仕上がりはどう違う?
今回、材料には氷砂糖の分量を500~1kgとしていますが、梅酒の味の好みによって量を調整していただきたいです。
氷砂糖の量による仕上がりの違い
500g程度…梅の酸味を感じる爽やかな味わい
1kg程度…甘味が強く芳醇な香り
氷砂糖の量が多いほど甘く濃い味わいになるイメージですね。初めて梅酒づくりにチャレンジする方なら、中間の700〜800g程度にして、甘さと酸味のバランスがとれた仕上がりを目指すといいのではないでしょうか。
もしくは、氷砂糖が多めの物と少なめの物で、2種類作ってもいいかもしれませんね。
梅の実を漬けてから1年で取り出すのはなぜ?
梅酒づくりのポイントは、梅のエキスをゆっくり抽出することですが、1年以上経つと、せっかく溶け出たエキスが再び梅の中に戻ってしまいます。そうすると、梅酒自体の味も落ちてしまうので、1年後くらいに梅のエキスが十分に出たところで取り出すようにしましょう。
梅の実を取り出しても、そのまま冷暗所に置いておけば、時間の経過とともに熟成が進んで、よりまろやかな味わいになりますよ!
ブランデーや日本酒、焼酎などで漬けても◎
梅酒づくりで一番多いのは、今回ご紹介したホワイトリカーで作るパターンですが、ブランデーや日本酒のほか、芋や麦など乙類の焼酎でも漬けられます。
ただし、家庭で作る果実酒は、アルコール度数が20度以上の酒類を使わないと酒税法違反になってしまいますので、そこは注意してください。
ブランデーや焼酎は度数が35度くらいある物が一般的なので問題ありませんが、市販の日本酒は20度以下であることが多いので気をつけましょう。日本酒で漬ける場合は、果実酒用に作られた物を使うと安心です。
漬けるお酒別:味わいの違い
酒の種類 | 味の印象 |
---|---|
ブランデー | お酒そのものに甘さがあるので、甘さの奥に梅の香りや酸味を感じるまろやかな味に。 |
日本酒 | 米に含まれる糖分の働きで、梅のエキスが早めに抽出されます。漬けていた期間が同じでも、ホワイトリカーより日本酒のほうが梅の旨みを感じられる仕上がりに。 |
乙類焼酎 | 芋や麦など原料によっては、梅よりも原料の味や香りが強めに出ることも。梅本来の香りや酸味を活かしたい場合は、無味無臭のホワイトリカーで作るのがおすすめ。 |
出来上がった梅酒はどう楽しむ?
まずは手作りした梅酒の仕上がりを確認するためにも、ロックやソーダ割などで本来の風味を味わいたいところですが、ほかのバリエーションでも楽しめます。
果実酒である梅酒は、リキュールとしてさまざまな物と割って飲むことができます。中でも、相性がいいのは乳製品。牛乳で割ると、まるでヨーグルトのような味わいになって、とても飲みやすいですよ。
ほかにも、緑茶や柑橘系のジュースなどで割ってもおいしいので、さまざまな印象と組み合わせてお気に入りを見つけてくださいね。
飲みやすくてクイクイ飲めてしまうかもしれませんが、あくまでも「お酒」ですので、飲みすぎにはくれぐれもご注意を…。
梅酒づくりなら、必要なアイテムがすべてそろうトライアルで!
梅酒づくりに適した青梅が出回るのは、例年5月下旬~6月頃。旬の食材がそろうトライアルでも、質のいい青梅が店頭に並びます。
さらに、梅酒を漬けるのに必要な氷砂糖やホワイトリカー、保存瓶といったアイテムもすべてそろっていますので、梅酒づくりの準備にはぜひトライアルをご利用ください!
監修者プロフィール
清水 加奈子
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
フードコーディネーター清水加奈子について