煮物の黄金比は1:1で決まり!作り方のコツと基本メニューのレシピ
毎日のおかずはもちろん、特別な日の一品として活躍する煮物。和食の定番料理である一方、「なかなかおいしく仕上がらない」「味付けがバラついてしまう」と悩む方も多いのでは?基本の和食料理だからこそ、いつでもおいしく作れるようになりたいですよね。
今回は、煮物を失敗なく作れる味付けの黄金比と、おいしく仕上げるコツについて、料理研究家の田内しょうこさんに教わります。煮物のコツや基本のレシピも紹介していますので、ぜひ参考にしてください!
教えてくれたのはこの人!
田内しょうこ(たうち しょうこ)
料理研究家
子育てや仕事で忙しい家族の悩みを解消する「シンプルでおいしい時短ごはん」を提案。「かんたんに美味しく、楽しく食べる」をモットーに、レシピ開発やセミナー、料理教室を開催するなど、幅広く活躍中。
田内しょうこ公式サイト
Twitter:@oyakogohan
Instagram:@tauchi.shoko
失敗しない煮物の黄金比は「1:1」
失敗しない煮物の黄金比は、下記の割合が基本です。
しょうゆ:みりん=1:1
おいしい煮物づくりに必要な調味料は、しょうゆとみりんの2つだけ。この黄金比で、どんな具材もおいしく煮ることができます。慣れてきたら、みりんを増やしてこってりさせたり、しょうゆを増やして味を濃いめにしたりと、自分好みの味を見つけてみてくださいね。
材料に合わせて黄金比をアレンジすれば、煮物がもっと楽においしく仕上がります。まずは、煮物の味付けの際に役立つ、黄金比活用法を2つご紹介します。
黄金比活用法1…肉や魚の煮物は料理酒を足してくさみ消し
魚や肉などを煮物にするときは、黄金比に料理酒を加えた「しょうゆ1:みりん1:酒1」の割合がおすすめです。料理酒には、肉や魚のくさみを消すほか、具材をやわらかくする役割も。煮物全体にぐっとコクが出て、おいしく煮込めます。
黄金比活用法2…硬い具材は砂糖で煮込む
硬い具材を煮込むときは、黄金比のみりんを砂糖に変えた「しょうゆ1:砂糖1」の割合がおすすめです。「硬い具材を煮込むときは砂糖」「やわらかめの具材を煮込むときはみりん」と覚えて使い分けましょう。
煮物料理での砂糖とみりんの使い分けについては、下記を参考にしてください。
砂糖は硬い具材を煮込むときにおすすめ
砂糖には、具材をやわらかくする効果があります。大根、こんにゃくなどの硬い具材は、砂糖を加えてから煮ると味染みの良い煮物に仕上がります。砂糖は、煮るとき最初に入れると覚えましょう。
みりんは煮崩れしやすい具材におすすめ
みりんに含まれているアルコールには、具材を引き締める効果があります。じゃがいもやさつまいもなど煮崩れしやすい具材には、砂糖でなくみりんを使いましょう。みりんは、煮るときには最初に入れます。みりん風調味料は、先に入れると味が染み込みにくくなるので、必ず最後に加えてください。
黄金比活用法3…みりんと砂糖、合わせ使いが◎
みりんは、砂糖とは違ったコクやうまみ、深みのある甘みを加えてくれる調味料。基本の黄金比で煮物そのものに慣れてきたら、しょうゆ「1」に対して砂糖とみりんを合わせて「1」とした「1:1」の割合で作ってみましょう。いつもの煮物がワンランクアップし、さらにおいしく作れます。
おいしい煮物を作る3つのコツ
ここからは、いつもの煮物がもっとおいしくなる、作り方のコツを3つご紹介します。できるところから、毎日の煮物料理に取り入れてみませんか?
調味料は「さしすせそ」順に入れる
煮物の味が決まらない…という悩みは、煮物の黄金比と、調味料を「さしすせそ」の順に入れることで解決します。調味料を入れる順番を守ることで、料理がおいしく仕上がるのです。
調味料の「さしすせそ」は料理の基本。一度覚えれば一生ものです。「さしすせそ」の順番とその理由を、まとめてご紹介します。
- さ…砂糖
砂糖は食材をやわらかくし、甘みをつけます。染み込むのに時間がかかるので先に加えましょう。 - し…塩
塩は塩味を加え、食材の色を引き立たせます。砂糖より分子が小さく染み込みやすいので、必ず砂糖の後に。 - す…酢
酢は酸味を加え、塩味と甘みを抑えて味をまろやかにします。先に加えると風味や香りが飛びやすいので、砂糖や塩を加えてから。 - せ…しょうゆ(古語:せうゆ)
しょうゆは、香ばしさや独特の風味が熱で飛ばないよう、仕上げの段階で加えましょう。 - そ…みそ
みそも、風味が重要な調味料です。加熱時間が長いとせっかくの風味が飛んでしまうので、仕上げに加えます。
落とし蓋を上手に使う
材料の上にかぶせて使う落とし蓋。鍋の中で煮汁が対流しやすくなり、少ない煮汁でも短時間で食材にムラなく味が染み込みます。落とし蓋は、アルミホイルやクッキングシート、オーブンペーパーでもOKです。
落とし蓋をしたら、鍋の蓋はしなくても構いません。ただし、フライパンや底の浅い鍋で炒め煮にする場合は、煮汁が早く減りやすいので、蓋をするか、様子を見ながら煮汁を加えるなどして調整してください。
鍋止めをする
鍋止めは、煮上がった具材を鍋から出さず、しばらく煮汁に漬けておくことです。冷めるまでそのままにすることで、具材の中まで味がなじみます。食べるときに、軽く温め直しましょう。
煮物の黄金比で作る!基本の「味染み豚バラ大根」
煮物のコツも踏まえて、黄金比の味付けで「豚バラ大根」を作ってみましょう。大ぶりの大根に豚肉の旨みと煮汁が染みて、大人はもちろん子供ウケもばっちり。季節を問わず、食卓の中心になる一品です。
材料(2~3人分)
大根…500g
豚バラ薄切り…150g
生姜…1片分
だし汁…400ml(2カップ)
しょうゆ…大さじ2
砂糖…大さじ2
ごま油…少々
トライアルでの販売価格
大根(1本)…199円(税込)
豚バラ薄切り(100gあたり)…159円(税込)
※2022年5月 メガセンター八千代店調べ。
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
作り方
1. 大根の皮をむき、1.5~2cm厚さの半月切りにする。生姜は千切りに、豚肉は食べやすい大きさに切る。
2. 厚手の鍋か、蓋ができるフライパンにごま油を熱し、生姜を加えて炒める。
3. 生姜の香りが立ったら豚肉を広げ入れ、塩ひとつまみ(分量外)を振って炒める。
4. 「3」に大根を加えて炒め、全体に油が回ったらだし汁を加えて煮る。
5. 煮立ったらアクを取り、オーブンシートで円形にカットして落とし蓋をする。大根がやわらかくなるまで10~15分煮る。
6. 砂糖を加える。5分煮た後、しょうゆを加えてさらに5分煮る。
7. 竹串が通るくらい大根がやわらかくなったら完成!好みでネギを散らしても。
砂糖としょうゆを別々に加えるのが面倒…と思うかもしれません。調味料を加えるのはこの順番がベストですが、忙しい日や暑い日は、もっと手数を減らしたいですよね。
調味料を一度に加えたいときは、大根を薄切りにしましょう。火が通りやすくなり、砂糖としょうゆをいっぺんに加えることができます。
煮物におすすめの具材は?
秋や冬のイメージがある煮物ですが、具材を工夫すれば季節を問わず楽しめます。初夏におすすめの具材をいくつかご紹介しましょう。
いんげん×油揚げ
3~4cmの長さに切ったいんげんと、油を切って太めに切った油揚げを黄金比でサッと煮ます。油揚げを食べ応えのある厚揚げに変えれば、主菜として活躍できるメニューに。
トライアルでの販売価格
いんげん(155g)…308円(税込)
油揚げ…79円(税込)
※2022年5月 メガセンター八千代店調べ。
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
なす×鶏むね肉
夏に旬を迎えるなすも、煮物にぴったり。なすだけでもおいしい一品になりますが、ボリュームを出したいなら、鶏むね肉がおすすめ。鶏むね肉に片栗粉をまぶすひと手間を加えると、パサつきを抑えてしっとり、さっぱりとした煮物になります。また、なすには干しエビを加えて煮ても旨みが増します。
トライアルでの販売価格
なす…199円(税込)
鶏むね肉(100gあたり)…59円(税込)
※2022年5月 メガセンター八千代店調べ。
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
かぼちゃ
食べ頃は秋から冬ですが、夏にたくさん収穫されるかぼちゃもおすすめ。黄金比よりも砂糖を少し増やせば、こっくりと甘めの味付けになり、お弁当にもぴったりです。
トライアルでの販売価格
かぼちゃ(2分の1カット)…199円(税込)
※2022年5月 メガセンター八千代店調べ。
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
ゴーヤ×ひき肉
夏はゴーヤがおいしい時期。煮物の具材としてはちょっと意外かもしれませんが、ゴーヤの苦みと甘辛な味付けが好相性、ごはんが進む味付けです。黄金比は少しアレンジして、「酒2:しょうゆ2:みりん1」がおすすめ。
トライアルでの販売価格
ゴーヤ…299円(税込)
国産若鶏もも挽肉(100gあたり)…119円(税込)
※2022年5月 メガセンター八千代店、スーパーセンター藤沢羽鳥店調べ。
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
トライアルなら、煮物の具材も調味料もお得にそろう!
冷めるときに味が染み込む煮物は、作り置きにも最適。週末に多めに作っておけば、平日の夕飯やお弁当にも活躍します。旬の食材や節約食材でバリエーションを増やし、煮物を食卓の味方につけましょう。
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