たけのこに含まれる栄養素は?期待できる意外な健康効果
春から初夏にかけて最盛期を迎えるたけのこ。
成長が速いため、生のたけのこを楽しめるのはほんのわずかな期間です。
煮たり焼いたり、ご飯とともに炊き込んだりして、独特の香りと歯応えを味わい尽くしたいですね。
管理栄養士の清水加奈子さんは、たけのこはおいしいだけでなく、美容と健康にうれしい栄養素をたっぷり含む食材だといいます。
そこで今回は、たけのこに含まれる栄養素と期待できる効能について、清水さんに詳しく教えていただきました。
教えてくれたのはこの人!
清水加奈子(しみず かなこ)
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
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トライアルでの販売価格
たけのこ(100g)…69円(税込)
※2024年4月 スーパーセンター藤沢羽鳥店調べ。
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
※販売価格は時期や産地によって変動します。
目次
たけのこに含まれる注目すべき栄養素は?
まずは、たけのこに含まれる豊富な栄養素のうち、特に注目したいものをピックアップしてご紹介します。
食物繊維
食物繊維には、腸内細菌の餌となってその量を増やし、腸内環境を良好にする作用があります。
血糖値や血中のコレステロール濃度の上昇を抑える効果もあり、肥満などの生活習慣病の予防にも有用な栄養素といえるでしょう。
ミネラル(銅、亜鉛、マンガン、カリウム)
たけのこには、血液中で全身に酸素を運ぶヘモグロビンを生成する「銅」、味覚を正常に保つ「亜鉛」、糖質・脂質の代謝や骨形成を助ける「マンガン」、そして「カリウム」をはじめとするミネラル類が含まれています。
特にコレステロールの吸収を抑えたり、塩分の排出を促したりするカリウムの含有量は多く、動脈硬化や高血圧の予防に力を発揮します。
ビタミンE
ビタミンEには、毛細血管を広げて血流を改善する働きをはじめ、老化につながる過酸化脂質の産生を抑えたり、生殖機能を維持したりする働きがあります。
パントテン酸
水溶性ビタミンのひとつであるパントテン酸は、ストレスから体を守る副腎皮質ホルモンを作り、心身の健康を維持します。
茹でると出てくる白い物質はアミノ酸のチロシン
たけのこを茹でると、表面や節に白い結晶のようなものが付着します。
これは、たんぱく質を構成するアミノ酸のひとつで、「チロシン」と呼ばれる物質で、食べても問題ありません。
チロシンは、脳内の神経伝達物質で、意欲や快感をもたらすドーパミンを合成します。
ドーパミンが不足するとパーキンソン病を発症する可能性が高まるため、チロシンを摂取することはすこやかな脳を維持することにもつながります。
たけのこを食べることで期待できる効能
たけのこを食べることで、どのような効能が期待できるのでしょうか。続いては、たけのこの体への効能について、詳しく見ていきましょう。
便秘改善
たけのこに含まれる食物繊維には、腸内環境を整える働きがあることがよく知られています。
特にたけのこは不溶性食物繊維が多く、水分を吸収して便のかさを増し、便秘を改善することが期待できるでしょう。
余分な脂質や糖質を体外に排出する働きもあるため、肥満の予防にもつながると考えられます。
むくみの解消
たけのこの栄養素のひとつであるカリウムは、腎臓で塩分の一部であるナトリウムの排出を促進します。
食事で塩分をとりすぎたり、下痢・嘔吐が続いたりして体内のナトリウム濃度が高まると、カリウムが余分なナトリウムを体内に排出してくれるのです。
これにより、塩分過多によるむくみ、さらには高血圧の改善にもつながるでしょう。
老化防止
ビタミンEは、細胞内でみずからが酸化されることによって、体に悪い影響を与える過酸化脂質が作られるのを抑えます。
その働きによって、細胞や血管、肌などの老化を防ぐことが期待できるといわれているほか、LDL(悪玉)コレステロールの酸化も防ぐことから、動脈硬化の予防につながる可能性も。
脳の働きを保つ
たけのこに含まれるアミノ酸であるチロシンからは、神経伝達物質のドーパミンが合成されます。
ドーパミンはさまざまな生命活動にかかわっており、継続的に摂取することで脳機能の維持・改善に役立つと考えられています。
美しい髪を保つ
たけのこのミネラル分のうち、銅は黒い髪のもととなるメラニン色素が作られるのを助け、白髪の予防に役立つといわれている栄養素です。
また、亜鉛は髪の毛を作るたんぱく質を構成する、アミノ酸の合成に不可欠。
亜鉛が不足していれば髪を育むことができないため、薄毛につながります。
たけのこを茹でると栄養素は減る?
たけのこは、渋みやえぐみの原因になるアクを取り除き、より良い歯触りで食べるためには、下茹でが必須です。
しかし、「茹でると栄養素が溶け出してしまうのでは?」と気になりますよね。
たけのこに含まれる不溶性食物繊維は茹でても残りますが、水溶性のビタミンCやビタミンB群、カリウムなどは、茹でると大幅に減少します。
そのため、たけのこの栄養素をできるだけ残すためには、下茹でを皮ごと行うのがおすすめです。
なお、皮ごと下茹でして残した栄養素は、どんな調理法でもほぼ損失しません。
ごはんに混ぜて炊き込んだり、焼いたり、さまざまな食べ方を楽しみましょう。
たけのこを皮付きで下茹でする方法はこちらの記事でご確認ください。
たけのこのあく抜き、茹で方はどうする?ぬかなしでできる方法も紹介
ただし、わかめとたけのこを炊き合わせた若竹煮などにすると、煮汁にミネラルが流出するため、煮汁ごと食べることが必要です。
たけのこの煮物の王道レシピ!食感を楽しめるおすすめレシピも紹介
たけのこを食べるときの注意点
たけのこはさまざまな栄養素による効能が期待できる食材ですが、食べすぎは避けましょう。
なぜなら、アクが強い食材のため、肌や胃が荒れる可能性があるからです。
消化する際に胃腸に負担をかけるため、便通に好影響を与える食物繊維の働きを最大限活かすためにも、適量を心掛けてください。
おいしいたけのこの選び方
旬の短いたけのこは、できるだけおいしいものを選びたいですよね。
おいしいたけのこを選ぶには、「穂先」と「外皮」に注目するのがポイント。
日にあたって筋が硬くなった穂先は緑色で、えぐみが強いので要注意。
穂先が黄色く、外皮は淡い黄色でツヤが良いものを選びましょう。
買いすぎてしまったたけのこの保存方法は、次の記事でご紹介しています。
適切な方法で保存しておけば、長く楽しめますよ。
たけのこの保存は冷凍・冷蔵・塩漬けで長持ち!適切なやり方を紹介
新鮮な生たけのこは、鮮度にこだわるトライアルで!
たけのこにはたくさんの栄養素が含まれており、適切な量を食べることで健康や美容にうれしい効果が期待できます。
トライアルでは、旬のたけのこをお手頃価格で販売しています。
お買い物の際には、ぜひ青果売り場にお立ち寄りいただき、おいしいときにお召し上がりください。