

花粉症対策におすすめの食事やレシピとは?原因や注意点を解説
つらい花粉症の症状に、毎年お悩みの方も多いのではないでしょうか。花粉症の対策には、衣類やマスクの工夫といった基本的な対策のほかにも、食事の工夫も大切です。食事のポイントやおすすめの食べ物、レシピを紹介します。
教えてくれたのはこの人!

広田千尋 管理栄養士
病院、保育園、保健センターなどで13年間勤務。生活習慣病の方やご高齢の方への栄養サポート、また赤ちゃんや子ども向けの食事相談など、幅広い年代のサポートに携わる。身近な材料で簡単に作れるレシピ作成を得意としている。
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Instagram:@chihiro_eiyo
花粉症の原因

日本人のおよそ4人に1人が花粉症といわれています。花粉症とは花粉が原因で引き起こされるアレルギー反応のことです。体内に備わっている免疫システムが花粉を異物として認識してしまい、過剰反応することでさまざまな症状を起こしてしまうのです。
花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみ、目の充血など。花粉症の原因の約70%はスギ花粉とされており、スギ花粉の飛散がピークとなる2〜4月頃に症状が悪化する方が多くなっています。
花粉症の対策は、医療機関における薬物療法、レーザー療法、免疫療法などの治療や、セルフケアとして市販薬、衣類・マスクでの対策などがあり、症状に応じた適切な対策が必要です。
花粉症に効く食べ物はある?

花粉症によるアレルギー症状の緩和には、腸内環境を整えることがカギとなります。
腸は免疫細胞の約7割が集まっている場所とされ、免疫システムが正しく働くために、腸内環境が整っていることが大切だと考えられています。花粉症の原因が免疫システムの異常であるため、腸内環境を整えることで、アレルギー症状の出にくい体質づくりをサポートしてくれる、というわけです。
食べ物だけで花粉症を治すことや、症状を完全に抑えることは、現時点では難しいとされていますが、つらい症状に悩まされている方は、腸内環境に注目して食べ物を選んでみましょう。
花粉症対策におすすめの食べ物
花粉症の対策として、食事から腸内環境を整えるには、下記の摂取が大切です。
- 乳酸菌:腸内で善玉菌として働く
- 食物繊維・オリゴ糖:善玉菌のエサとなり菌数を増やす
両方をあわせてとることで、腸内で悪玉菌の増殖を抑えて善玉菌が働きやすい環境がつくられ、免疫システムも強化されます。
中でも積極的に取り入れたい、おすすめの食べ物を3つ紹介します。
1.ヨーグルト

ヨーグルトは乳酸菌を含む代表的な食べ物です。善玉菌は腸に住みつきにくいといわれているため、毎日続けて食べることがおすすめです。
ヨーグルトは手軽に食べられるため、毎日の習慣として取り入れやすいでしょう。
2.食物繊維を多く含む食べ物

食物繊維は善玉菌の数を増やすのに役立つほかにも、いわゆる「腸の掃除」をする役割もあります。便の材料となり腸を刺激して、便通をスムーズにしてくれるのです。
中でもおすすめなのが、サツマイモやジャガイモなどの芋類です。食物繊維のほかにも「レジスタントスターチ」という成分を含んでいます。レジスタントスターチは「難消化性でんぷん」のことで、食物繊維と同様の働きをすることから、腸内環境を整えるのにぴったりだとして注目を集めています。
野菜や芋、海藻、キノコなどを食べる機会の少ない食生活では、食物繊維が不足しやすくなるため、下記の食べ物を意識してとってみましょう。
食物繊維を含む食べ物(100gあたりの含有量)
ジャガイモ皮なし(8.9g)・ゴボウ(5.7g)ブロッコリー(5.1g)・シイタケ(4.9g)・ヒジキ茹で(3.7g)・タケノコ茹で(3.3g)・サツマイモ皮なし(2.2g)
3.オリゴ糖を含む食べ物

糖質の1種であるオリゴ糖は、善玉菌のエサとなり腸内を健康な状態に保ってくれます。オリゴ糖の多くは腸内で消化吸収されにくい性質を持っているため、エネルギーになりにくいのもうれしいポイントです。
オリゴ糖はタマネギ・バナナ・ゴボウ・ハチミツなどに含まれるほか、健康食品としてオリゴ糖で作られたシロップなどが販売されています。シロップタイプはヨーグルトや飲み物などに手軽にプラスできるため、取り入れやすいでしょう。健康食品を利用する場合は、商品に記載された1日の目安量を守って使用しましょう。
花粉症対策の食事のポイント

花粉症対策の食事のポイントは、先程紹介した食べ物をとるほかにも、バランスの良い食事をとることです。
例えば「野菜が少なく肉類が中心」という脂質やたんぱく質に偏った食生活では、腸内で悪玉菌を増やす原因となってしまいます。脂質の多い肉類やこってりとしたメニューは量や頻度を控えめにするか、次の食事であっさりとしたメニューを心掛けるなどして調整しましょう。
またバランスの良い食事により、免疫機能の維持や、粘膜を正常に保つビタミンの不足も防いでくれます。さまざまな食べ物をまんべんなく取り入れて、花粉症に負けない体をつくりましょう。
花粉症を悪化させる注意すべき食べ物や飲み物はある?

花粉症を悪化させないために、香辛料などの刺激の強い食べ物のとりすぎを控えるようにしましょう。粘膜にダメージを与えるおそれがあり、症状を悪化させかねません。
またお酒もなるべく控えることが大切です。お酒は鼻の粘膜の毛細血管を広げて、鼻詰まりやくしゃみなどの症状を強くする場合があり、注意が必要です。
花粉症対策におすすめのレシピ
食物繊維やレジスタントスターチなどを含み、腸内環境を整えるのにぴったりなレシピです。
1.ブロッコリーとさつまいものゴロゴロ炒め(supported by クラシル)
食物繊維の豊富なブロッコリー、レジスタントスターチを含むサツマイモを組み合わせたレシピです。甘いサツマイモとベーコンの塩気がマッチして、ホクホクとしたブロッコリーも楽しめます。
2.簡単 豚肉のチンジャオロース(supported by クラシル)
食物繊維の豊富なタケノコをたっぷり食べられるチンジャオロースです。ご飯の進む味付けで、お子様から大人まで食べやすい一品です。
花粉症対策には、毎日の積み重ねが大切!
花粉症対策に役立つ食事の工夫は、毎日コツコツと積み重ねることが大切です。花粉症シーズンはもちろん、1年を通して意識するようにすると良いでしょう。
衣類やマスクなどの基本的なケアに加えて、必要に応じて医療機関での治療も検討して、つらい花粉症シーズンを乗り切りましょう。