「サンマ」の栄養は“良質な脂”がカギ!貧血や睡眠の悩みを改善
漢字で「秋刀魚」と書くサンマは、その名のとおり秋が旬。トライアルの生鮮コーナーにも、脂がたっぷりのった生サンマのほか、サンマを使ったお寿司やお総菜が豊富にそろいます。
サンマは、DHAやEPA、ビタミンB群など、健康と美容にいい栄養素が多いことでも知られています。
今回は、サンマの栄養素とその効果について、フードコーディネーターの清水加奈子さんに教えていただきました。加えて、清水さんオリジナルの、サンマを丸ごと使ったレシピもご紹介します。
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脳の働きや血流を促す「DHA」と「EPA」の効果的なとり方は?
サンマをはじめとする青魚に多く含まれているといわれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」と「EPA(エイコサペンタエン酸)」。これら、不飽和脂肪酸の一種を摂取することで、どのような効果を得られるのでしょうか。
「DHAもEPAも、悪玉コレステロールを減らす働きがあるといわれています。さらに、DHAには、高血圧を予防したり脳の働きを正常に保ったり、睡眠を改善したりする効果も期待できます。一方、EPAには血流を促す働きがあり、動脈硬化や血栓の予防に役立つといわれていますね」
DHAとEPAの のほかにα-リノレン酸等を含むn-3系脂肪酸全体で、1日あたりの目安量は1.6~2.2g以上(※)。生のサンマ100gには、DHAが2.2g、EPAが1.5gと豊富に含まれているため、ぜひ積極的にとりたいところです。
ただし、より効率的にとるには、食べ方に注意が必要だそう。
「サンマに含まれるDHAとEPAは、グリルなどの網で焼くと1~2割程落ちてしまいます。脂っぽい=健康に良くないと思われがちですが、サンマの脂はその逆。栄養素を余さず摂取するには、お刺身や丸ごと調理のほか、煮物にして汁ごと食べるのがおすすめです。
焼いて食べる場合は、ホイル焼きにするなど、なるべく脂が流れ落ちないように工夫するといいでしょう」
※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」による成人(18歳以上)の数値
肌や髪の潤いを保つために欠かせないビタミンB群も豊富
DHA、EPA以外にも、サンマにはさまざまな栄養素が含まれています。中でも豊富なのはビタミンB群で、特にビタミンB12は、ほかの青魚の約3倍の量が含まれているのだとか。
「ビタミンB12は『造血ビタミン』ともいわれ、女性や貧血気味の方におすすめの栄養素。このほか、サンマにはビタミンB6とビタミンB2も多く含まれています。
ビタミンB6はたんぱく質の代謝に関わる栄養素で、皮膚や髪を健康に保つためには欠かせません。ビタミンB2も、脂質や糖の代謝を促すことで細胞の再生や成長を助ける働きがあり、摂取することで皮膚や粘膜の保護につながります」
また、サンマには良質なたんぱく質もたっぷり含まれているそうです。たんぱく質が不足すると、筋肉量が減り肥満の原因になるほか、コラーゲン不足による肌のシワやたるみの原因にもなるので要注意。
さらに、ビタミンDが豊富に含まれている点も、サンマの特徴だといいます。
「ビタミンDはカルシウムの吸収を促し、骨を形成するのに欠かせない成分です。豆腐やチーズなど、カルシウムを多く含む食品をいっしょにとると、相乗効果が期待できるでしょう」
目元や口元をチェック!新鮮なサンマの見分け方
健康と美容のためにも、旬の時期は積極的に食べたいサンマ。店頭で新鮮なサンマを見分けるには、どうすればいいのでしょうか?
清水さんによると、次のような点に注目するといいそうです。
新鮮なサンマの見分け方
・下顎の先端が黄色い
・目がきれいで赤く充血していない
・トレーにドリップが溜まっていない
・身に弾力があり、表面にツヤがある
「サンマは、頭から背中にかけて盛り上がりがある物のほうが、脂のりがいいといわれています。また、身が細い物より厚みのある物を選ぶといいでしょう」
サンマは、ほかの生魚と同じように、長期間の保存には向いていません。DHAやEPAが酸化するのを防ぐためにも、できれば購入したその日のうちに調理したいところです。
どうしても保存が必要な場合は、次のような方法で行いましょう。
「まずは、表面を真水でしっかり洗った後、包丁を使って内臓を取り除いてください。その後、500mlあたり小さじ2の塩を加えた塩水で血合いをきれいに洗い流し、キッチンペーパーで水気を拭き取ってから、ラップでしっかり巻きます。
冷蔵の場合は、温度変化の少ない冷蔵庫の奥のほうに入れれば2日程持ちます。冷凍の場合は、1~2週間保存が可能です」
冷凍保存したサンマを使うときは、前日から冷蔵庫に移してゆっくり解凍し、調理する数十分前に冷蔵庫から出して室温に戻すのがおすすめ。特に焼き魚の場合は、室温に戻してから焼くことで、中までムラなく火が通りやすくなるそうです。
サンマをおろさず半分に切って煮込むだけ!「サンマと豆腐のキムチ煮」
ここからは、清水さんオリジナルのサンマを使ったレシピをご紹介。今回は、サンマを1尾丸ごと使い、韓国風に味つけした煮物を作っていきます。
トライアルの販売価格
サンマ(1尾)…398円
※2021年9月 スーパーセンター長沼店調べ
※トライアルの商品はすべて税込表示です
※販売価格は時期や産地によって変動します
材料(2人分)
サンマ…2尾
木綿豆腐…2分の1丁
長ネギ…2分の1本
キムチ…200g
[A]
めんつゆ(3倍濃縮)…大さじ3
水…200ml
作り方
1. サンマの腹に包丁を入れ、頭を落としてから、包丁の先を使って内臓を取り除く。血合いをきれいに洗い水気をとる。
2. 「1」のサンマを半分に切る。木綿豆腐は一口大、長ネギは斜めに切る。
3. 鍋にキムチと[A]を入れて火をつける。煮立ったらサンマと木綿豆腐を入れ、蓋をして中火で10分煮る。
4. 味を染み込ませるために、時々スプーンを使って煮汁をかける。
5. 斜め切りにした長ネギを加え、さらに3~4分煮て完成。
サンマは煮崩れしやすいため、ひっくり返さずに、煮汁をかけながら味を染み込ませるのがポイントです。冷蔵や冷凍保存したサンマをそのまま使ってもいいですが、室温に戻してから煮込むと、中まで均一に火が通ってよりふっくら仕上がりますよ。
トライアルなら用途に合わせてさばいてお渡しするサービスも
旬を迎えたサンマは、おいしさも栄養価も抜群!「魚の内臓を取るのが苦手という方も多いですよね。最近は、スーパーでも内臓を取り除いた状態の物が売られているので、そちらを購入してもいいでしょう」と清水さん。
トライアルの鮮魚売り場では、どんな料理に使いたいか用途を伝えていただければ、それに合わせてさばいてお渡しいたします(※)。ぜひお気軽にお申しつけいただき、ご家庭で旬のおいしいサンマを味わってくださいね。
※一部店舗でのサービスとなります。お近くの店員にご確認ください。
監修者プロフィール
清水 加奈子
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
フードコーディネーター清水加奈子について