柿の栄養と期待できる効能は?1日の摂取量や栄養を逃さない食べ方
10月から11月にかけて最盛期を迎える柿。
この時期は気候が良くなって病気になる人が減ることや、柿に含まれる豊富な栄養素が病気を遠ざけてくれることから、「柿が赤くなると、医者が青くなる」といわれて古くから重宝されてきました。
そのため、積極的に食べて栄養を取り入れていきたいですね。
ここでは、柿に含まれる栄養成分とその効能、効率的に栄養を摂取する食べ方などについて、管理栄養士の清水加奈子さんにお聞きしました。
トライアルの販売価格
ハウス柿(1個)…179円(税込)
※2023年9月 スーパーセンター藤沢羽鳥店調べ。
※トライアルの商品はすべて税込表示です。
※販売価格は時期や産地によって変動します。
柿の栄養成分と効能
柿に含まれる主な栄養素には、ビタミンC、β-カロテン、タンニン、カリウム、食物繊維などがあります。
まずは、それぞれの栄養成分の効果・効能について見ていきましょう。
ビタミンC:老化や免疫機能の低下を抑え、美肌に◎
ビタミンCは抗酸化ビタミンといわれ、老化や免疫機能の低下などを引き起こす活性酸素の働きを抑える作用があります。
また、皮膚や軟骨、粘膜などを作るたんぱく質、コラーゲンの産生にも欠かせない栄養素で、心身をすこやかに保つために必要です。
しかし、人間は体内でビタミンCを作ることができません。ビタミンCが不足しないよう、食事からコンスタントに補う必要があります。
柿には、可食部100gあたり70mgのビタミンCが含まれています。これは、ビタミンCの宝庫といわれるキウイフルーツ(グリーンキウイ)と同程度の量。
成人におけるビタミンCの1日あたりの推奨摂取量は100mgですから、200g程度の柿1個で推奨量をクリアします。
β-カロテン:感染症予防に◎
β-カロテンには、ビタミンCと同じく強い抗酸化作用があります。
また、体内で必要な量だけビタミンAに変わるため、目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きも期待できるでしょう。
β-カロテンは「抗感染性ビタミン」といわれることもあります。
風邪が流行する時期や、疲れが溜まったときには、積極的にとりたい栄養素ですね。
カリウム:むくみの改善に◎
カリウムはミネラルの一種で、体内にある余分な水分と塩分を排出する働きがあります。
むくみの改善や、高めの血圧の調整などに効果的です。
日本人の食生活は塩分過多になりやすく、1日の食塩摂取量は他国を大きく上回っています。
カリウムを上手に取り入れて、塩分の排出を促しましょう。
カリウムは水溶性のため、調理すると外に溶け出してしまうので、茹でたりせずに食べられる柿はおすすめです。
食物繊維:腸内環境を整えるのに◎
食物繊維は、小腸で消化・吸収されずに大腸に達し、腸内細菌のエサになって腸内環境を整える栄養素。
腸内環境のバランスを良くすることで、ほかの栄養素の吸収率も向上します。
また、免疫細胞に作用して免疫力を高めたり、血糖値を抑制したりする働きも。
腸内環境が良くなると、便秘予防や美肌効果が期待できます。
現代の食生活では不足しがちな栄養素なので、食事から積極的にとりましょう!
柿は1日に何個まで食べていい?
栄養価が高いといわれると、「健康のために」とついたくさん食べてしまいがち。
しかし、果物は糖分が多く、食べすぎると中性脂肪を上昇させてしまいます。柿に限らず、果物は1日に1種類、1~2個を目安に食べましょう。
特に、柿に含まれるタンニンをとりすぎると便秘になることも…。
柿は少量で十分な栄養が摂取できる果物といえますので、1日1個をおいしく食べてくださいね。
生柿と干し柿の栄養面での違い
生柿と、生柿を乾燥して作る干し柿では、栄養成分の量に差があります。
野菜を干すと水分が減り、甘味や旨味など栄養成分が凝縮されるように、柿も干すことで栄養価がアップ。
生柿より干し柿のほうが、効率良く柿の栄養を摂取することができます。
生柿と干し柿の栄養素比較(可食部100gあたり)
上の表からわかるとおり、干し柿にするとカロリーも大幅にアップします。
干し柿にして全体のカサが減ったからといって、食べすぎは禁物。
肥満につながるおそれがあるため、干し柿も1日1個にとどめたほうがいいでしょう。
柿の栄養素を効率的にとる食べ方
次に、柿に含まれる栄養素を効率的にとる食べ方について紹介します。
ビタミンEを含む食材、脂質のあるものと合わせる
ビタミンCとβ-カロテンを多く含む柿は、ビタミンEを含む食材といっしょにとることで、より抗酸化作用がアップします。
ビタミンEが豊富なナッツ類やゴマなどの食材と組み合わせて食べるといいでしょう。
また、β-カロテンは脂質といっしょにとると吸収率がアップするため、チーズやオイルと合わせて食べるのがおすすめです。
皮ごと食べる
柿の皮には、実よりもたくさんの栄養素が含まれています。
柿の皮が鮮やかなオレンジ色なのは、β-カロテンが多く含まれているから。β-カロテンを少しでも多く取り入れたいなら、皮ごと食べましょう。
皮が硬くて食べにくいようなら、かなり薄くむいて、できるだけ栄養素を残すようにしてください。
生の皮を食べるのに抵抗があるときは、調理して食べるといいと思います。
韓国料理では、キムチの下味やサムギョプサルのたれにするなど、柿を調味料として使うことも。
柿には酵素も含まれているので、お肉をやわらかくする働きもありますよ。
柿とゴマで免疫力アップ!「柿とホウレンソウのチーズゴマ白あえ」
ここからは、清水さんオリジナルの柿を使ったレシピをご紹介!
「大人向けの料理」というイメージがある白あえですが、クリームチーズを加えることで味わいがまろやかになり、お子さんも食べやすくなります。
調理のしやすさや、水分を含む種子の周りのゼリー状の少なさから、今回のレシピでは種なし柿を使用しました。
材料(2~3人分)
柿…1個
ホウレンソウ…2分の1束
豆腐(絹)…2分の1丁(150g)
クリームチーズ…50g
[A]
はちみつ…大さじ2分の1
白すりゴマ…大さじ1
塩…適量
作り方
1. 柿は皮をむいて6等分にし、5mm幅の薄切りにする。クリームチーズは常温で置いてやわらかくする。
2. ホウレンソウはさっと塩茹でし、水にさらす。5cmの長さに切って水気をしっかり切ったらボウルに入れ、全体に醤油(分量外※)をなじませる。水気が出たらしっかり絞る。
※ホウレンソウを端に寄せたとき、ボウルの底に醤油が少し残る程度の量が目安です。
3. 豆腐にキッチンペーパーを巻き、耐熱皿にのせてレンジ(600W)で1~2分加熱。レンジから取り出し、水気を切って冷ます。
4. ボウルに豆腐とクリームチーズを入れて泡立て器(ゴムベラでもOK)でつぶしながらよく混ぜる。なじんだら[A]を入れてさらに混ぜる。
5. 食べる直前に柿とホウレンソウを「4」に加えてあえる。
ホウレンソウは、茹でた後に醤油をかけて絞る「醤油洗い」をすることで、味がしっかりと染み込みます。それだけでなく、醤油の塩分が野菜の水分を引き出してくれるので、あえたときに水っぽくなりません。
このレシピは、ホウレンソウの代わりに春菊を使ってもOK。グッと大人の味わいになりますよ。
おいしい柿の選び方は?
甘くておいしい柿を選ぶポイントは、次の3つです。
- 果皮…果皮がつややかでオレンジ色が均一なもの
- 重み…手に持ったときに大きくて重みがあるもの
- ヘタの形…ヘタの形がきれいで果実にしっかり張りついているもの
ヘタがはがれているものは、乾燥が進んで傷みやすいので避けたほうがいいでしょう。
トライアルのおいしい柿で、おいしく健康に!
柿は、ビタミンCや食物繊維などをたっぷり含んだ果物です。
食べすぎないよう、1日1個の適量を守って、健康づくりや美肌づくりに役立ててください。
トライアルでは、そのとき最もおいしい柿の産地から新鮮な物を仕入れています。
毎日いつでもお手頃価格で販売していますので、おいしく栄養補給していきましょう!
野菜・果物など毎日食べたいトライアルの青果、鮮度と味へのこだわり
監修者プロフィール
清水 加奈子
フードコーディネーター/管理栄養士
調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
フードコーディネーター清水加奈子について